農林水産大臣賞

タイトル :「リグニン分解菌とセルロース分解菌を用いた身近な廃棄物の資源化について」
学 校 名:横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
グループ名:自然科学部
メンバー :増山七海、宍戸滉、有木宇華、菅原遼、平田匠

<講評>
 伐採された竹などの植物資源を産業的に有効活用することは、林業の課題の一つである。横浜サイエンスフロンティア高等学校 自然科学部の研究チームは、産業廃棄物となった木材や紙、及び竹などに含まれるセルロース成分を微生物により分解し、産業的に利用できる糖へと変換する技術の開発に取り組んだ。セルロースを分解する微生物を自然界から独自に単離したのみならず、セルロース分解の妨げとなるリグニン成分を除去するための別の微生物も単離し、それらを共培養させたり、培養効率を向上させるための新規の培地を自作するなど、独自の工夫を積み重ねたことで、これまで困難とされた竹などの効率的な糖化に成功した。そのチャレンジ精神とオリジナリティは高く評価でき、今後のさらなる発展にも期待できる。


環境大臣賞

タイトル :「標識再捕法から分かった山口県のオオサンショウウオの生態」
学 校 名:高川学園高等学校
グループ名:科学部
メンバー :今池怜生、河村龍城

<講評>
 本研究は、絶滅危惧種であるオオサンショウウオについて、標識再捕法を用いた個体群密度の推定により、山口県宇佐川におけるオオサンショウウオの生態や生活史の一端を明らかにした極めて重要な研究課題である。本研究により、宇佐川におけるオオサンショウウオの生物生産量は現時点で既にクライマックスを迎えてしまっており、今後はその個体数が減衰の一途をたどる可能性が高いことを科学的に証明したことが審査員から特に評価された。個体数減衰の一因として宇佐川における人工物の設置の可能性も示唆されたが、このようなオオサンショウウオの個体群密度を推定するに当たり、既存の計算式を改変することで独自の計算式を構築して研究に用いた点も評価された。絶滅危惧種の生態や生活史を理解することは、周囲の環境問題との関連も含めて重要な課題であるため、今後も科学的データに基づくオオサンショウウオの保護活動を継続することを期待する。


科学技術振興機構賞

タイトル :「固相担持ペプチド触媒を用いたトリプトファン誘導体の不斉合成」
学 校 名:立教女学院高等学校
メンバー :脇田舞子

<講評>
 本研究は、「医薬品となる可能性のある新規化合物を不斉合成したい」という目的意識から出発した研究である。脇田舞子さんは、医薬品に多く見られるトリプトファン骨格に着目し、同骨格を持つ化合物を合成する新規ペプチド触媒の開発に成功した。さらに、開発した触媒がなぜ高性能を示したのか、その理由についてもペプチド鎖の立体構造に着目して説得力ある考察を示している。以上より、本研究は技術開発のみならずその理論的根拠をも提案しており、将来のさらなる発展の可能性を秘めている。よって、科学技術の発展に寄与する可能性のある研究を対象とする科学技術振興機構賞にふさわしい。


慶應義塾賞

タイトル :「植物における音の影響」
学 校 名:佐野日本大学高等学校
メンバー :佐藤優紀

<講評>
 本研究は、音と植物の発芽の関係という非常に興味深いテーマに周波数や糖代謝の実験を組み合わせ、論理的に研究を進め科学的な考察ができていた。さらに、研究対象としてゲノム情報が得られているイネを使用したことも高評価したポイントであり、今後はゲノム情報を活用し音の刺激により発現する遺伝子などの研究に発展していくことを期待したい。本研究では、今まで科学的にほとんど証明されていなかった音と植物の成長に関するチャレンジングなテーマに学術的に取り組み、音に関する植物生理の一端を解明した。この功績は極めて先導的であり、慶應義塾賞にふさわしいものである。


山形県知事賞

タイトル :「水族館の展示マコンブを利用した養殖技術の確立」
学 校 名:山形県立加茂水産高等学校
グループ名:水産生物部
メンバー :五十嵐将史、藤原克樹

<講評>
 コンブ養殖のもとである種糸を自作することにより、山形県庄内地方においてこれまで行われていなかった冬期マコンブ養殖技術を考案し、実験段階での養殖に成功、実用化への可能性を拓いた。地元水族館に展示されているコンブを利用するという発想で近隣からの継続的な素材供給を可能にし、自作の特殊な培養装置でコンブ生育条件を入念に検討してコンブ幼体の生育に成功したことは素晴らしい。海中でのコンブ養殖に挑戦し、すでに地元の協力者との連携によるマコンブプロジェクトも提案しており、庄内地方水産業の発展へ貢献すると考えられる。地方活性化へ繋がる可能性がある研究として今後の発展が期待され、山形県知事賞に値すると評価した。


山形県教育委員会教育長賞

タイトル :「メダカの性比に偏りが生じたのはなぜか」
学 校 名:埼玉県立松山高等学校
グループ名:生物部メダカ班
メンバー :古賀源、佐藤卓哉

<講評>
 多くの生物の雌雄は性染色体によって決定される。雌雄が均等に存在する場合、生まれてくる子の性別はおよそ雌雄1対1である。しかし、ある系統のメダカにおいてはこの法則が成り立たず、性比が著しく雌に偏る現象が見られた。この現象を解明するべく発表者らは研究を重ね、性決定遺伝子以外にも性別を左右する重要な因子があるのではないかという結論を導きだした。彼らの研究は「生まれた疑問に対し真摯に探求する」という生物学の本質を体現する、正に生物学の王道とも言うべき研究であり、その論理的な思考や研究に対する姿勢に将来を牽引する研究者としての素養を強く感じた。以上の理由により教育的・学術的に素晴らしい研究に与えられる山形県教育委員会教育長賞にふさわしい。


鶴岡市長賞

タイトル :「抽出状態の違うホップポリフェノールによる抗菌性について」
学 校 名:山形県立鶴岡南高等学校
メンバー :齋藤元文

タイトル :「水田土壌の微生物を用いた発電の研究」
学 校 名:山形県立鶴岡南高等学校
グループ名:科学部
メンバー :田中良樹、南葉一輝、早坂亮祐、安達景都、奥山慧、五十嵐律矩、三浦昌平

タイトル :「藻類のモデル生物 Chlamydomonas reinhardtiiと近縁種における酢酸添加の影響」
学 校 名:山形県立鶴岡中央高等学校
メンバー :松田りら




優秀賞

タイトル :「条件反射を利用したプラナリアの脳機能の測定」
学 校 名:佐野日本大学高等学校
グループ名:Group C
メンバー :齋藤裕紀、和田昂大、西村和真、平山優佑、清水翔平、江村翼、井岡由加里

タイトル :「フナムシ属の 16SrRNA に基づいた分子系統解析および形態学的研究」
学 校 名:公文国際学園高等部
メンバー :寺田彩人

タイトル :「可食植物スベリヒユの有効活用を目指したメタボローム解析」
学 校 名:山形県立鶴岡南高等学校
メンバー :早坂亮祐

タイトル :「テトラブロモビスフェノール A とコンピュータ基板抽出液のメダカの甲状腺への影響」
学 校 名:埼玉県立松山高等学校
グループ名:生物部メダカ班
メンバー :渡邊耕平、中村航大




審査員特別賞

学校名:高川学園高等学校
氏 名:今池怜生

学校名:豊島岡女子学園高等学校
氏 名:小笠原希

学校名:山梨県立韮崎高等学校
氏 名:小俣大河

学校名:埼玉県立松山高等学校
氏 名:古賀源

学校名:学習院高等科
氏 名:小久保智淳

学校名:佐野日本大学高等学校
氏 名:齋藤裕紀

学校名:佐野日本大学高等学校
氏 名:根建真衣子

学校名:広尾学園高等学校
氏 名:早川嘉樹

学校名:麹町学園女子高等学校
氏 名:細谷藍里

学校名:横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
氏 名:増山七海

学校名:佐野日本大学高等学校
氏 名:渡辺勇介


他に、優秀研究指導者表彰が5点贈られました。